ESDとSDGsの要点整理
持続可能な社会を創る学びの在り方
1.ESD(Education for Sustainable Development)とは
定義
ESDとは「持続可能な開発のための教育」のことで、ユネスコ(UNESCO)が提唱する国際的な教育運動の一つです。
世界の環境、貧困、人権、平和、開発などの課題を自分ごととして捉え、身近なところから行動すること(Think globally, act locally)を重視します。
ESDの目的は、これらの課題に向き合う中で新たな価値観や行動を生み出し、持続可能な社会を創造できる人材(担い手)を育てることです。
ESDの観点
ESDでは、次の3つの観点から、学際的・総合的に学ぶことが求められます。
- 人間性の育成
人格の発達、自律心、判断力、責任感を育てる。 - 「かかわり」と「つながり」の尊重
人、社会、自然との関係性を理解し、相互のつながりを大切にする。 - 多面的な視点の重視
環境・経済・社会・文化の各側面を総合的に捉える。
ESDで育てたい力
ESDの学びを通して育むべき資質・能力には、以下のようなものがあります。
- 持続可能な開発に関する価値観(人権・多様性・環境・公正・共生など)
- 体系的な思考力(問題を多面的に捉える力)
- 代替案を考える批判的思考力
- データや情報を分析する力
- コミュニケーション能力
- リーダーシップや協働力
ESDの学び方・教え方
ESDは、知識の習得よりも「参加」「体験」「探究」「実践」を重視します。
体験的な学習や地域課題の解決を通して、自ら考え、判断し、行動できる学びを目指します。
2.SDGs(Sustainable Development Goals)とは
定義
SDGsは「持続可能な開発目標」と訳され、2015年の国連サミットで採択された、2030年までに世界全体で達成すべき17の目標を指します。
全ての国と人々が「誰一人取り残さない社会(Leave No One Behind)」を目指す国際的な共通目標です。
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SDGsの構成
SDGsは、17の目標と、それを実現するための169のターゲットで構成されています。
17の目標(抜粋)
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任 つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
これらは「環境」「社会」「経済」の3側面にまたがる包括的な目標であり、相互に関連し合っています。
学校現場での活用
ESDとSDGsの理念は、現代の学校教育において極めて重要な指針となります。
それぞれは、子どもたちが「持続可能な社会の創り手」として成長するための教育の基盤です。
1.教育課程全体の理念として活用
ESDの基本理念「持続可能な社会づくりの担い手を育む」は、現行の学習指導要領の目標「持続可能な社会の創り手となることができるようにする」と一致します。
そのため、学校教育全体の土台として、教育課程の設計や授業方針に反映させることが求められています。
2.総合的な学習(探究)の時間での展開
「環境」「貧困」「人権」「平和」「ジェンダー」「地域活性化」など、SDGsの17の目標を題材に探究活動を行うことが効果的です。
体験・探究・実践を重視した課題解決型学習(PBL)を通して、児童生徒が社会課題を自らの問題として考える力を育てます。
3.教科横断的な指導の推進
ESDの視点をもとに、社会科・理科・道徳・家庭科・特別活動などを有機的に関連づけます。
環境、経済、文化、社会といった多面的な学びを統合し、カリキュラム・マネジメントを実現します。
4.資質・能力の育成
ESD・SDGsを通して育てる力は、単なる知識ではなく「生きる力」です。
子どもたちは次のような資質・能力を身につけていきます。
- 問題を多面的に捉える体系的思考力
- 他者との「かかわり」や「つながり」を尊重する人間性
- 自ら行動し、社会を変革する主体性
まとめ
ESDとSDGsは、教育の枠を超えて「未来を創る学び」の柱となる考え方です。
学校現場では、教科を越えた探究活動や地域との協働を通して、児童生徒が「持続可能な社会の創り手」として成長する機会を提供することが求められています。
これからの教育は、知識を教えるだけでなく、「社会の課題を自ら考え、行動する力」を育てるステージへと進化しています。
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須合 啓(教採スクール 代表)
<経歴> 埼玉県公立高校教諭 12年 教採スクール運営 13年
<合格実績> 教員採用試験「65受験地」全員合格実績あり
<書籍>
「自分で考えて動ける子の育て方」(2022年10月/明日香出版)
「自分から進んで学ぶ賢い子の育て方」(2024年8月/明日香出版)
