新学習指導要領の「3つの改訂軸」と学校現場での実践ポイント
現行の学習指導要領は、2030年を見据え、子どもたちが豊かに生きる力を育むために改訂されました。本記事では、改訂の核である三つの軸と、学校現場での実践ポイントを整理します。
必修ポイント(3点)
- 資質・能力の三つの柱
「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力など」「学びに向かう力・人間性など」をバランスよく育成する。 - 主体的・対話的で深い学び
アクティブ・ラーニングの視点で授業を改善し、子どもが課題を見いだし、対話と探究で理解を深める。 - カリキュラム・マネジメント
教科横断の連携とPDCAで、教育課程を組織的・計画的に改善する。
1.なぜ「三つの柱」か
改訂は「生きる力」を再整理し、学びの意義を明確化しました。
三つの柱は次のとおりです。
- 知識及び技能(生きて働く知識と技能)
- 思考力・判断力・表現力など(未知の状況に対応できる力)
- 学びに向かう力・人間性など(学びを人生・社会に生かそうとする態度)
授業では、目標・活動・評価を三つの柱に対応づけ、偏りをなくす設計が求められます。
2.主体的・対話的で深い学びをどう実現するか
- 主体的な学び
興味関心を起点に見通しをもち、粘り強く取り組み、振り返りで次の学びにつなげる。 - 対話的な学び
友達・教職員・地域との対話や協働で、考えを広げ深める。 - 深い学び
知識の関連づけ、情報の精査、課題解決や創造につながる学びを構成する。
授業づくりの要点
導入で課題を共有し、個別・協働で探究、まとめで言語化と振り返り。ワークシート、ルーブリック、ポートフォリオを活用する。
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3.カリキュラム・マネジメントとは
定義
教育課程を編成・実施・評価・改善する学校全体の仕組み。
三つの側面
- 教科等横断の見通しで教育内容を配列
- PDCAサイクルの確立(計画・実施・評価・改善)
- 人的・物的体制の整備と改善(時間割、校内研修、外部連携等)
実践例
学年合同の単元設計会、特別活動・総合的な学習との連携、地域・保護者との協働、学校評価の結果を次年度計画へ反映。
4.現行学習指導要領の概要(実施時期)
- 小学校:2017年告示、2020年度全面実施
- 中学校:2017年告示、2021年度全面実施
- 高等学校:2018年告示、2022年度から年次進行で実施
学習指導要領の役割
全国の教育水準を確保するための教育課程の基準(大綱的基準)。
5.教育内容の主な改善事項(要点)
- 特別の教科 道徳
小学校は2018年度、中学校は2019年度から教科化。考える道徳・議論する道徳へ転換。 - 外国語教育の充実
小学校3・4年で外国語活動、5・6年で教科としての外国語科。「聞く・読む・話す・書く」を統合的に育成。 - プログラミング教育の必修化
情報活用能力の育成の一環として小学校で必修化。 - 言語能力・理数教育の充実
すべての教科で言語活動を充実。統計的な見方・考え方の育成を強化。 - 伝統・文化、体験活動、主権者教育・消費者教育、防災・安全教育の充実
郷土や社会課題に根ざした学びを推進。 - ICT環境整備(GIGAスクール構想)
一人一台端末と高速ネットワークで個別最適な学びを実現。 - STEAM教育、OECD Education 2030
教科横断で実社会の課題に向き合う学び。ウェルビーイングとエージェンシーを重視。
6.学校現場での活用(チェックリスト)
授業設計
- 目標を三つの柱と対応づける。
- 課題提示 → 協働探究 → 表現・振り返りの流れを設計。
- ルーブリックで学びの可視化と自己評価を行う。
教育課程の運営
- 学校目標を共有し、教科横断の年間計画を作成。
- 行事や特別活動も含めて資質・能力の育成につなげる。
- 実施後は記録・評価を基に改善(PDCA)を徹底。
重点事項の指導
- 道徳科は「考え・議論する授業」を中核に据える。
- プログラミング的思考や外国語の言語活動を各学年で計画的に配置。
- 地域連携・探究活動で社会につながる学びを設計。
まとめ
- 三つの柱、主体的・対話的で深い学び、カリキュラム・マネジメントが改訂の中核。
- 授業と学校経営を結び付け、PDCAで質を高め続けることが要点。
- 具体の手立て(言語活動、評価の可視化、地域連携、ICT活用)を授業と年間計画に組み込む。
本記事を土台に、校内研修資料や単元計画、評価規準の整備へ発展させてください。
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須合 啓(教採スクール 代表)
<経歴> 埼玉県公立高校教諭 12年 教採スクール運営 13年
<合格実績> 教員採用試験「65受験地」全員合格実績あり
<書籍>
「自分で考えて動ける子の育て方」(2022年10月/明日香出版)
「自分から進んで学ぶ賢い子の育て方」(2024年8月/明日香出版)
