POINT
教科書と著作権は、学校現場で教材を扱う際の最重要法規分野である。
教科書の定義・使用義務・採択権・無償給付の仕組みと、著作権法が認める教育現場での特例を、原則と例外の関係で正確に整理することが重要である。
教科書と著作権の基本原則
学校現場において教師が教材を使用する際には、「教科書に関する法規」と「著作権法」という二つの法体系を同時に理解しておく必要があります。
教員採用試験では、単なる知識ではなく、どこまでが許され、どこからが認められないのかという判断基準が問われます。
教科書の定義と使用義務
教科書の定義
教科書とは、正式には「教科用図書」と呼ばれ、次のいずれかに該当するものを指します。
文部科学大臣の検定を経たもの
文部科学省が著作の名義を有するもの
これらは、学校において教科の主たる教材として使用される児童生徒用図書です。
教科書の使用義務
小学校および中学校では、原則として検定済みの教科用図書または文部科学省著作の教科用図書を使用しなければなりません。
この使用義務は、義務教育段階の学校を中心に規定されており、高等学校においても原則として準用されます。
義務教育における教科書無償給付
義務教育諸学校の児童生徒が使用する教科書については、国が購入し、学校の設置者に無償で給付します。
これは、教育の機会均等を保障するための重要な制度です。
教科書の採択権
教科書の採択権は、学校の設置形態によって異なります。
公立の義務教育諸学校では、市町村または都道府県の教育委員会が採択します。
国立学校および私立学校では、校長が採択します。
教科書使用の特例と補助教材
教科書使用の特例
一定の条件下では、検定済みの教科書以外の図書を使用することが認められています。
高等学校では、検定教科書が存在しない場合などに、設置者の定めるところにより、他の適切な教科用図書を使用することができます。
特別支援学校では、教育課程の特質や児童生徒の障害の状況により、検定教科書の使用が適当でない場合に限り、他の教材を使用する特例があります。
補助教材の扱い
教科書およびデジタル教科書以外にも、有益適切な教材は使用することができます。
地図、年表、新聞、映像資料、録音資料などがこれに該当します。
ただし、補助教材の選定や管理については、校長や教員の判断だけでなく、教育委員会への届出や承認が必要となる場合があります。
著作権と教育機関に認められた特例
著作権は、著作者の権利を保護するための制度であり、原則として著作者の死後70年間存続します。
一方で、学校教育の公共性に配慮し、著作権法では教育機関に対する特例が設けられています。
授業のための複製等
学校などの教育機関において、教育を担任する者および授業を受ける者は、授業の過程における利用を目的とする場合に限り、必要と認められる範囲で、公表された著作物を複製することができます。
ただし、次の点に注意が必要です。
授業の過程における利用であること
必要と認められる限度内であること
著作権者の利益を不当に害しないこと
市販の教材を丸ごと複製するなど、市場に影響を与える行為は認められません。
教科用図書への掲載
公表された著作物は、学校教育の目的上必要と認められる限度において、教科用図書に掲載することができます。
この場合、著作者への通知と、定められた方法による補償が必要となります。
学校現場での活用
教材使用の基本姿勢
検定済み教科書の使用義務を遵守した上で、指導の目的に応じて補助教材を適切に選定します。
教材選定は、教育的価値だけでなく、法令遵守の観点からも慎重に行う必要があります。
著作物の適正利用
授業で利用するために必要な範囲であれば、著作権者の許諾を得ずに複製できる場合があります。
一方で、「授業の過程」を離れた利用や、「必要な限度」を超えた複製は、著作権侵害に該当します。
デジタル教科書の活用
デジタル教科書は、制度上、教科書に代えて使用できる教材として位置づけられています。
GIGAスクール構想の下で、個別最適な学びを実現するための重要な教材として活用されますが、当面は紙の教科書との併用が前提となります。
教採試験受験アドバイス
教科書と著作権の分野では、次の整理が得点の鍵となります。
教科書の定義は「検定済み」または「文部科学省著作」
義務教育段階では教科書の使用は原則義務
無償給付の主体は国、採択権は設置形態ごとに異なる
著作権法第35条は「授業の過程」「必要な限度」「権利者の利益を不当に害しない」の三点で判断する
暗記に終わらせず、「この場面では使えるか、使えないか」を具体的に説明できるようにしておくと、正誤問題・事例問題の両方に対応できるようになります。
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須合 啓(教採スクール 代表)
<経歴> 埼玉県公立高校教諭 12年 教採スクール運営 13年
<合格実績> 教員採用試験「65受験地」全員合格実績あり
<書籍>
「自分で考えて動ける子の育て方」(2022年10月/明日香出版)
「自分から進んで学ぶ賢い子の育て方」(2024年8月/明日香出版)

