[場面指導]
チャイムが鳴っても休み時間の延長のように廊下で遊んでいる児童生徒がいます。教室に入るように指示しても素直に入ろうとする態度の見られない児童生徒もいます。どのように指導したらよいでしょうか。
学習コーチより
(1) 心の触れ合いのある学級づくり
まずは、毅然とした態度で、教室に入るよう指導することです。授業は学校で一番大切なものだということを、教える必要があります。
次に集団行動をとれるように、学級としてのまとまりを工夫することが必要です。学級には人を育てる機能があり、まとまりのあるよい学級には、教師と児童生徒、児童生徒相互の間に心の触れ合いを通して高め合う雰囲気があります。
心の触れ合いを育てるには、次の点に留意する必要があります。
その一つは、「言葉を通しての心の触れ合い」です。それは、意見を認め合い、話合いを深めることです。例えば、指示・伝達の場合でも、教師から一方的に話すだけでなく、児童生徒の意見や感想を述べ合う機会を多くつくることによって心は開かれるものです。
二つには、「共に考えることや協同作業を通して得る心の触れ合い」です。学級行事や学校行事を行う際に、児童生徒と共に考え、準備し、実施することを通して心の触れ合いが生まれます。
三つには、「共通の活動を通した心の触れ合い」です。例えば、学級活動でゲームやスポーツのようなものを取り入れると親しみを感じるようになります。言葉よりも共通の活動の方が、心が通じる場合があります。心と心の触れ合いを通して、学級の児童生徒同士が同一目標に向かって連帯感を強め、集団行動なども速やかにとれるようになるものです。
(2) 他の教師と協力して行う指導
チャイム着席ができていない状態が学校全体に蔓延している場合、一人の教師の努力だけでは効果は得にくいものです。このような場合、学年や学校全体で取り組むことが必要です。ある学校では、児童生徒が、職員室から教室までの教師の移動時間を見計らって廊下に群がる悪い習慣が身に付いていて、なかなか直りませんでしたが、次のような取組で、これを直したそうです。
ア 教師全員が始業、終業の時刻を守る。教師はチャイムが鳴る前に職員室を出て、教室の中でチャイムを聞くようにし、終わりのチャイムも守りました。
イ 共通実践による指導を進める。チャイム着席をしない児童生徒には、必ず指導することを教師間で確認し、全ての教師が実践しました。
ウ 巡回指導を行う。
授業の空いている教師は、チャイムと同時に、学年ごとに廊下を巡回し、チャイム着席を指導しました。