[面接質問]
担任している学級の児童生徒は、授業中何となく落ち着きがなくてザワザワしており、授業に集中しません。他の先生からは、学級全体に学習意欲が見られないと指摘されました。どう指導したらよいのでしょうか。
学習コーチより
児童生徒にとって安心でき、気持ちが落ち着き、意欲的に学習できる環境をつくることは、担任の重要な役割の一つです。多くの担任がよりよい学級経営を目指して、同じように悩み、努力しています。
学習意欲は、児童生徒の心理状態に左右されることが多いと言われています。児童生徒に落ち着きがなく活気が見られないなどの背景には、学級の雰囲気、学級内の人間関係、生活上・学習上の規律、授業の進め方、学習形態、担任との関わりなどの要因が考えられます。
(1) 心に安らぎを与える学級
学級の雰囲気は、担任の影響の他に、児童生徒同士の人間関係も大きく関わっています。児童生徒の中に次のような状況はありませんか。「一部の児童生徒の勢力に振り回されてしまい、他の者の意見が通らない。真面目な行為が認められず、正直な児童生徒が損をしている。無責任な言動や規則違反が多い。からかいや仲間はずれ、グループ化が目に付く。学級全体に関する仕事をしない。児童生徒の意欲が抑圧されている。教師に対して反発したり、逆に甘えたりして従わない。」これらの現象が見られたら、次の点に留意して指導に当たります。
① 人間関係をよくするために、グループ編成や座席の配置、友人関係の調整などに努める。
② 互いの力を認め合い、創造性を引き出すために、学校行事や学級活動などを利用して、一人一人が活躍できる場や、グループでの協同的な活動の企画を意図的に作り、担任も積極的に参加する。
③ 学級内の環境整備や規律維持に努め、最低限守るべきことがらを約束させるなど毅然とした態度で指導に当たる。
(2) 積極的に取り組める学習指導の工夫
① ノートなどを提出させた機会に日頃感じていることを記し、担任の意図を伝える努力をする。
② グループ学習の中で互いに意見を交換して学び合い、仲間との触れ合いと問題解決の喜びを味わわせる。
③ 評価をする時には問題解決の過程を重視し、努力した点を称賛して認めるとともに、児童生徒自身による自己評価を通して、自己の能力の再発見を促し、自信をもたせることなどを行う。
(3) 一人一人の児童生徒の尊重
児童生徒が、安心して自分の考えが言える学級では、担任が児童生徒の存在感を認め、児童生徒の話をよく聞いています。児童生徒の人格を認め、叱るべき場面では叱り、褒めるべき場面では褒めることを実行すると、担任と児童生徒の間に信頼関係ができ、意欲が生まれてきます。