[面接質問]
勤労生産・奉仕的行事とは、どのようなものですか。また、指導に当たってどんなことに気を付けたらよいのでしょうか。

学習コーチより

(1) 勤労生産・奉仕的行事の目指すもの

「勤労生産・奉仕的行事」とは、勤労の尊さや生産の喜びを体得するとともに、ボランティア活動など社会奉仕の精神を涵養する体験が得られるような活動を行うことです。

ねらいは、学校内外の生活の中で、勤労生産やボランティア精神を養う体験的な活動を経験することによって、勤労の価値や必要性を体得できるようにするとともに、自らを豊かにし、進んで他に奉仕しようとする態度を育てることにあります。

(2) 活動を進める上での配慮事項

勤労生産・奉仕的行事には、飼育栽培活動、校内美化活動、地域社会の清掃活動、公共施設の清掃活動、福祉施設との交流活動などが考えられますが、地域の人々との連携を図り、児童生徒の体験的な活動を豊かなものとするために、学校の教育活動について、積極的に地域の人々に理解してもらう必要があります。

これらの活動では、全学年あるいは複数の学年の全児童生徒が、同時に活動する場合が多いので、それぞれの学年の発達の段階の特性を的確に把握し、画一的にならないようにすることが望まれます。さらに、児童生徒に自主的な活動意欲をもたせることが大切であり、活動によっては、意見や考えを反映させたり、創意工夫を生かしたりできるようにすることが大切です。
また、「思いやりのある児童(生徒)の育成」等の教育目標や、指導の重点の具現化を図るためには、各教科や外国語活動・道徳・特別活動・総合的な学習の時間と有機的な関連を図ることが肝要です。

次に、この活動で留意したいことをいくつか述べます。
ア 活動の教育的意義を理解し、進んで活動できるように指導する。

イ 活動で収穫したものの扱いについては、生産の喜びを味わえるような指導をする。

ウ 児童生徒の発達の段階を考慮して計画実施する。その際、安全面に十分配慮する。なお、清掃箇所にポイントを絞り、清掃週間として通常の清掃時間で扱う方法もある。

エ 教師も一緒に体験するという姿勢をもって指導する。

オ 一般的に行われている大掃除は、勤労面を重視して行う場合、勤労生産・奉仕的行事として取り上げることも可能である。