【POINT】
・古代から江戸時代までは「誰が」「誰を対象に」「何を目的として」教育機関を設けたかを整理する
・律令国家では貴族中心、中世は武士と寺院、近世は武士と庶民の二重構造が基本
・大学寮、綜芸種智院、金沢文庫、足利学校は設立者と対象の違いが頻出
・江戸時代は藩校、寺子屋、私塾の役割分担を明確に区別する
・日本教育史は身分制社会と教育制度の関係を押さえると理解が安定する

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【日本教育史の要点整理:古代から江戸時代まで】
日本の教育史は、社会の仕組みや支配体制と深く結びつきながら発展してきました。
現代の学校制度や学びの文化を理解するためには、各時代の教育機関の目的と対象を正確に把握することが重要です。

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【古代の教育(大和・奈良・平安時代)】

1.律令制下の官立学校
律令国家では、官人養成を目的とした教育が行われました。
中央には大学寮が設けられ、儒学を中心とした学問が教授されました。
対象は主に貴族や官人の子弟であり、身分による教育の限定が特徴です。

地方には国学が置かれ、郡司の子弟に対して基礎的な儒学教育が行われました。

2.私設教育機関の成立
平安時代になると、氏族ごとの私的教育施設である大学別曹が現れました。
弘文院は和気広世、勧学院は藤原冬嗣、学館院は橘氏によって設立され、学問が有力氏族に独占される傾向が強まりました。

3.学問の公開と庶民教育への広がり
奈良時代には、石上宅嗣が芸亭を設け、私設ながら公開図書館として学問の共有を図りました。
平安時代初期には、空海が綜芸種智院を開設し、身分を問わず学べる庶民教育を実現しました。

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【中世の教育(鎌倉・室町時代)】

1.武家社会と学問
中世は武士が政治の中心となり、教育も武芸や寺院教育が重視されるようになりました。

2.代表的な教育施設
金沢文庫は北条実時によって設立され、多くの和漢書が集められた学問施設です。

足利学校は上杉憲実によって再興され、坂東の大学と呼ばれるほど全国から学生を集めました。

3.寺院教育と五山文学
京都五山、鎌倉五山の寺院では、禅僧による漢学や詩文が発展し、高度な学問教育が行われました。

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【近世の教育(安土桃山・江戸時代)】

1.武士階級の教育
江戸時代には身分制が確立し、教育も武士と庶民で分かれました。
各藩は藩校を設立し、藩士に対して朱子学と武芸を中心とした教育を行いました。

水戸藩の弘道館、会津藩の日新館、熊本藩の時習館などが代表例です。

幕府直轄の昌平坂学問所は、幕臣養成の最高学府として位置づけられ、朱子学を正学としました。

2.庶民階級の教育
庶民の教育機関として寺子屋が全国に広まりました。
読み、書き、算を中心に、生活に必要な実用的知識を教授しました。
教材としては、実語教や童子教などの往来物が用いられました。

3.私塾と郷学
私塾では、身分にとらわれない多様な学問が教授されました。
緒方洪庵の適塾、吉田松陰の松下村塾、広瀬淡窓の咸宜園などは、近代日本を担う人材を育成しました。

郷学は武士と庶民の中間的教育機関で、岡山藩の閑谷学校が代表例です。

4.教育思想の発展
貝原益軒は和俗童子訓を著し、日常生活に根ざした子どもの教育のあり方を示しました。

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【要点整理】

1.古代
・大学寮 中央官人養成 貴族対象
・国学 地方官人養成 郡司の子弟
・綜芸種智院 空海 庶民教育

2.中世
・金沢文庫 北条実時
・足利学校 上杉憲実
・五山文学 寺院教育

3.近世
・藩校 武士教育 朱子学
・昌平坂学問所 幕府直轄
・寺子屋 庶民教育
・私塾 適塾 松下村塾 咸宜園

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【教採試験受験アドバイス】

1.教育機関は三点で整理する
設立者
対象階層
教育の目的
この三点を結びつけると混乱しません。

2.身分制と教育の関係を意識する
日本教育史は、身分制社会の構造と教育制度が密接に結びついています。
誰のための教育だったのかを常に意識しましょう。

3.現代教育とのつながりで理解する
庶民教育の広がりや地域に根ざした学びは、現在の学校と地域連携にも通じます。
歴史を暗記で終わらせず、今の教育につながる視点で整理すると記憶が定着します。

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”STAY LEARNING, STAY GROWING.” —— 学び続け、成長し続ける。
須合 啓(教採スクール 代表)

<経歴> 公立高校教諭 12年 教採スクール運営 14年
<合格実績> 教員採用試験「65受験地」全員合格実績あり
<書籍>
「自分で考えて動ける子の育て方」(2022年10月/明日香出版)
「自分から進んで学ぶ賢い子の育て方」(2024年8月/明日香出版)


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