[教採場面指導]
先日、校内研修が行われました。その際、生徒の興味・関心、能力などの個人差に応じた個別指導の重要性が強調されました。普段の授業の中で、この個別指導についてどう進めていったらよいのでしょうか。
学習コーチより
(1) 個別指導の必要性
授業は、学習の主体である児童生徒の活動と、指導の主体である教師の活動とが一体となって機能していなければなりません。したがって、授業は、常にそれぞれの主体の活動が確実に展開されない限り成立しません。
授業は一斉に展開される学習形態、すなわち、一斉指導(あるいは一斉授業)として行われているのが一般的です。しかし、一斉指導の場合、同一の目標、同一の課題で、しかも、同一の時間の中で多数の児童生徒を対象として指導が展開されるので、中には自分の学習活動と合致しない児童生徒が出てくることも予想されます。この不一致を是正するために個別指導が必要になります。それをいつどのように行うかを児童生徒の実態と教材や学習内容等を踏まえて計画しなければなりません。
(2) 個別指導の実際
ア 机間指導を重視した授業
同一の課題で一斉に学習する場合、教師が机間指導しながら一人一人の児童生徒の学習状況を把握し、つまずきに応じて個別指導を行います。なお、机間指導で気付いたことを全員の指導に生かすことも大切なことです。
イ 課題選択の場を設定した授業
授業の中で、児童生徒全員が同一の課題で一斉に学習する部分と、一人一人が自分に合った課題を選択して学習する部分とを組み合わせて行う授業です。1時間の授業の中で5分でも10分でも一人でじっくり考えたり、活動したりする場を設けることは大切なことです。
ウ 学習形態を工夫した授業
ペア学習やグループ学習など、身に付ける学習内容等に応じて、学習形態を工夫し、その中で個別指導を行います。また、これらの学習は、励まし合ったり、助け合ったりする学習も展開され、主体的な学習をより活性化させることができます。
エ 習熟の程度に応じた個別指導
習熟の程度に応じて学習を個別化し、その中で個別指導を行います。この指導では、学習の習熟度に応じたグループ(学級)を編成する際、差別感を起こさないような配慮も必要です。