[面接質問]
要保護世帯・準要保護世帯の児童生徒に対して、児童生徒の心を傷つけないように指導するには、どのような点に配慮すればよいのでしょうか。
学習コーチより
(1) 児童生徒の生活実態の把握
現行の生活保護法は、基本原理として憲法第25条の生存権保障を軸とし、国が定めた生活保護基準に該当する「生活に困窮する者」が一時的に受けられる公的扶助や保護を目的としたものです。保護者が、国や地方自治体などに申請し、審査を受け、認定された世帯を、要保護世帯・準要保護世帯といいます。具体的には、生活費や医療費、住宅・教育費などの支給、扶助などが行われています。
要保護世帯・準要保護世帯の児童生徒を担任した場合には、いたずらに児童生徒の生活内容にまで立ち入ることは、プライバシーの侵害にもなるので慎重な態度で対応しなければなりません。そのために、前任者からの引継事務をしっかりしておくこと、児童生徒の家庭環境や生活の実態を家庭訪問などで早く把握することが必要です。
(2) 学級の中に差別意識が芽生えないような指導
生活保護世帯などには、国から、現金が一括して支給されるため、「教育扶助費」が生活費の不足の一部に使われ、児童生徒の教育費に充てられない場合もあります。このため、給食費や諸経費が長期にわたり滞納される場合があります。しかし、生活保護世帯に限らず、未納の児童生徒を責めたり、他の児童生徒の前で叱ったり、児童生徒を通して保護者に支払いの催促をしたりすることなどは、絶対に避けなければなりません。管理職、学年主任と連携して、担当の民生委員と相談し、家庭と十分話し合って、児童生徒の学校生活に支障をきたさない解決方法を状況に応じて、個別に考えることが大切です。
時として、教師の不注意な言動が原因となって、いじめのきっかけになったり、不登校につながったりする場合もあります。