[場面指導]
先日、B先生の授業を参観させていただき、協働的な学習の素晴らしさを教えられました。早速、この学習形態を取り入れて授業を行ってみましたが、グループによってはボス的な子供が出たり、学習の遅れがちな子供は友達から敬遠されていたりして、B先生のような授業はできませんでした。協働的な学習を取り入れるときは、どのような点に留意したらよいのでしょうか。
学習コーチより
1) 「協働的な学習」を取り入れるかの検討
本時の指導内容が、協働的な学習に適した内容であるのか、それとも一斉学習向きの内容かを、教材研究の中で検討し、準備します。
(2) グループ編成のねらいと編成の仕方
一口に協働的な学習と言っても、そこには、習熟の程度や興味・関心等が共通する児童生徒だけで編成したグループによるものと、そうでない児童生徒で編成したグループによるものがあります。前者はグループに適した内容を学習させることになります。それに対して後者による協働的な学習は、どちらかと言えば、学級の中をいくつかの小集団に分けて、教師が個別指導をしやすくするといった長所を生かした学習形態と言えます。いずれにしろ、協働的な学習では、「三人寄れば文殊の知恵」という諺があるように、援助したり、時には考えを出し合い、葛藤させたりするなど、個人では成し得ないような素晴らしい学習ができるという利点があります。なお、友人関係に配慮したグループ編成の仕方もあります。
(3) 「協働的な学習」を取り入れる場合の配慮事項と問題点
協働的な学習を取り入れれば、授業はいつでも成功するとは限りません。例えば、「船頭多くして、船、山に上る」の諺があるように、時には統制がとれなくなって失敗に終わってしまうこともあります。あなたの悩みは、そういったところに原因があったのではないでしょうか。
また、協働的な学習、特に異質のグループを作る場合には幾つかの問題点があります。例えば、特定の児童生徒ばかりが活躍し、他の児童生徒にとっての学習が成立しなくなることがあります。そうしないためにも協働的な学習を取り入れるときには、その学習活動のねらいや方法を児童生徒に十分理解させた上で取り入れるようにすることが大切です。また、不十分な判断材料だけで判断してグループ構成しないことです。