[面接質問]
私は現在、小学校5年生を担任していますが、今度、学年で実施する遠足の実地踏査に行くことになりました。遠足・集団宿泊的行事などの実地踏査では、どんなことを注意すればよいでしょうか。
学習コーチより
(1) 遠足・集団宿泊的行事のねらいの把握
学習指導要領に示された遠足・集団宿泊的行事のねらいから判断して、具体的には、次のような意味を読み取ることができます。
ア 校外の豊かな自然や文化に触れる体験をしたり、文化・経済・産業・政治などの重要地を直接見聞したりすることにより、学校における学習活動を充実発展させること。また、広い知見と豊かな情操を育成すること。
イ 校外における集団活動を通して、教師と児童生徒、児童生徒相互の触れ合いや自然との触れ合いを深め、また、基本的な生活習慣や公衆道徳等についての体験を積むことによって、望ましい発達を図ること。
(2) 実地踏査に行く目的の把握
遠足や集団宿泊的行事などの実施に当たっては、普段の授業の数倍の力が注がれるものです。したがって、実際の行事の実施が最大限の効果を期待できるかどうか、教室を離れての学習をするにふさわしい所か、さらに、安全面、衛生面などについて調べておくことが必要です。
そこで、実地踏査においては、どんなことを調べてくればよいか(3)の事項を踏まえて事前に検討し、はっきりした目的をもって行うことが大切です。また、できる限り実施当日に近い状況下で調査することなども大切なポイントです。
高等学校においては、修学旅行の実地踏査は原則認められていません。仲介する旅行業者に(3)の事項を十分に確認させ、安全確保には万全を期す必要があります。なお、校長が必要と認め、県教委との事前協議で認められる場合に実施できます。
(3) 実地踏査での確認事項
ア コース…道順、道路の状況、歩行の危険の有無、所要時間、自然・社会的状況
イ 日程…行程の余裕の確認
ウ 交通機関…交通事情、乗換駅等の状況
エ 休憩・昼食場所…場所の適性と安全確認、トイレの数、人数掌握の難易、飲料水の可否、雨天の避難場所
オ 雨天の場合の対策…コース(避難経路)や日程の変更、休憩や昼食場所
力 不測事態の発生時の対策…現地の医療機関、警察署、保健所、タクシー会社等への電話番号等連絡方法の確認
キ 見学場所等…見学に要する時間、方法、指導事項、必要な資料の収集、安全性の確認ク 宿泊場所(修学旅行などで集団で宿泊する場所)…施設・設備の安全状況・非常口・非常時の避難経路・避難場所などの確認