[面接質問]
毎日のように保健室へ来る児童生徒がいます。そのたびに検温をしたり体の様子を聞いたりしていますが、病気ではないと思われます。本人への対応や学級担任への連絡をどのようにしたらよいでしょうか。

学習コーチより

(1) 来室動機の把握

来室する児童生徒の中には、

ア 病気や負傷で来る者
イ ある決まった時間や授業になると「先生、頭が痛い」などと訴えてくる者
ウ 廊下で保健室の様子をうかがいながら室内に児童生徒がいないと入ってくる者
エ 休み時間になると決まった顔ぶれで来てはおしゃべりをしている者
オ 「ただなんとなく」「漠然とした理由」等で来室する者

などがいます。イ~オの理由で、来室する児童生徒の中には、おそらく、養護教諭と話したい、さらには心身の問題などについての相談相手になってもらいたいなどの願望をもっている者も多いと思われます。来室する動機によって対応の方法がいろいろと違いますので、何はともあれ、来室の真意を押さえる必要があります。

(2) 児童生徒の気持ちの支援
来室する動機がどうであれ、この児童生徒への対応としては、まず体調を心配して優しく声を掛け、これをきっかけにして本人の言い分や悩みなどを受容し、児童生徒の存在を認め信頼関係をつくります。「信頼できる先生」と児童生徒が思ったとき、初めて本音が出てきます。

しかし、受容することと甘やかすことは違います。チャイムが鳴ったら原則として教室へ戻らせるなど、毅然とした態度で対応し、優しく諭しつつ、学校の決まりは守らせるようにします。また、保健室利用のルールを明確にして、日常から児童生徒や他の教師、保護者に理解してもらえるようにしておくことも大切です。

(3) 学級担任や他の教師との連携
児童生徒との対応で得た情報のうち、自分一人の指導では限界を超えると思われる内容(例えば犯罪に関わること、生命に関わること等)については、まず担任に連絡し、管理職・生徒指導部などへ必ず報告し、連携を図り対応します。
なお、養護教諭は、その職務の性質上、保健室にいることが多くなります。情報が集まる職員室にできるだけ足を運び、多くの教職員と児童生徒についての情報を交換し共通理解に努めましょう。