[場面指導]
授業中落ち着きがなくキョロキョロしたり、出歩いたり、他の児童生徒に話しかけたりする児童生徒がいます。どう対応したらよいでしょうか。

学習コーチより

多くの教師が解決に向けて時間をかけて努力していますが、その中の効果的な指導例、支援例を次に述べます。

(1) 原因の見極め

ア 実態の調査
特定の教科や場面で落ち着きがないのか、すべての場面において落ち着きがないのかを調べます。さらに、児童生徒の具体的な行動や教師の指導に対する反応などについても、注意深く調べます

イ 背景の調査
児童生徒の生育歴、病歴、親子関係、友人関係などの他、学業成績や諸検査の結果なども調べます。前担任との連携を取り合うことも大切です。

ウ 児童生徒への接し方の配慮
児童生徒は仲間や教師に認められなかったり、授業が分からなかったり、欲求が満たされなかったりしたときに落ち着かなくなります。教師の言葉や行動が児童生徒の心には敏感に響きますから、きめ細かな配慮をすることが大切になります。

エ 保護者との信頼関係の構築
保護者の協力と家庭生活の中での継続的な指導がないと、指導効果は期待できません。保護者に学校で新たに身に付いたよさなどを伝えるなどして子育てに自信をもたせ、教師が保護者とともに最善の支援を考える話合いができるようにします。

(2) 原因に応じた指導・支援

ア しつけ不足で善悪が判断できない児童生徒の場合
必要な養育を家庭で受けていないために、規律ある生活習慣が身に付いていない場合があります。この場合は、一つ一つの具体的な場面で取るべき正しい行動を教え、それができたら褒めます。

イ 気持ちが不安定な児童生徒の場合
学習面、友人関係、親子関係などで不安や心配があると、特異な行動が現れることがあります。学習面では、本人の理解度やつまずきの箇所に気付かせ、授業形態や発問を工夫し、分かる楽しさを体験させます。
また、友人関係を観察し、からかいや仲間はずれがないか、細心の注意を払います。親子関係では、保護者の態度が変わると児童生徒の行動が変わる場合も多く見られます。保護者の過保護や過干渉、あるいは情緒の不安定さなどに留意し、児童生徒の発達の段階に応じた接し方や自主性を伸ばす方法などを保護者と共に考えます。

ウ 原因が発達障害等にあると考えられる
児童生徒の場合特異な行動が顕著に見られる場合は、特別支援教育コーディネーターや養護教諭などに相談し、支援方法の検討及び相談の結果、病院や専門機関等に相談するように勧める必要が出てくることもあります。その際、管理職にも相談し、保護者の心情にも十分配慮する必要があります