[面接質問]
学級崩壊とは何ですか。
学習コーチより
学級は児童生徒にとって学校における生活の場であり、学習の場であるとともに、学校教育を担う教師にとっては、教育の原点の場です。
近年、児童生徒を取り巻く環境や児童生徒自身の変化、また、それらの変化に対応し切れない教師や学校の問題等が指摘され、学級を中心とした様々な問題状況が深刻化してきています。市町村立小学校における「学級がうまく機能しない状況」に関する調査では、通常の学級において、「児童が教室内で勝手な行動をして教師の指示に従わず、授業が成立しないなど、集団教育という学校の機能が成立しない学級の状況が一定期間継続し、学級担任による通常の手法では問題解決ができない状況に立ち至った場合」を「学級がうまく機能しない状況」と定義しています。マスコミなどでは、このような学級の状況を「学級崩壊」と呼び、深刻な教育問題の一つとして取り上げられています。
調査から、学級がうまく機能しない状況は、担任の性別、学年、学級規模等、学級の要素などと関係なく発生しており、どの学校、どの学級、どの教師でも起こりうると考えられます。「学級がうまく機能しない状況」になる要因として、次のようなことが考えられます。
・ 児童の自己を律する力の未熟さや基本的な生活習慣の不足が見られること。
・ 教科等の授業の指導法に改善を要する部分があること。
・ 担任の児童に対する接し方に改善を要する部分があること。
・ 保護者と連携する体制が十分に取れないこと。
これらの状況がしばらく続くようであれば、「学級がうまく機能しない状況」に至る前に、学年主任や管理職に相談し、一人で抱え込まないことが何よりも大切です。対応策として、次の3点が基本的な取組として挙げられます。
(1) 一人一人を生かす手立て
個々の児童生徒及び学級集団の課題を常に把握して、日常の触れ合いを通して、児童生徒への理解を深め、信頼関係を構築することです。一人一人が主人公となる場を設定したり、児童生徒との話合いを通して、ルールを定め、行為の善悪を指導したりすることも大切です。
(2) 校内組織の活用
交換授業やチーム・ティーチングを積極的に導入し、多くの教師が一つの学級に関わることです。学年合同の行事や授業など、学級の枠を越えた指導を展開し、問題の発生に際しては、生徒指導部会や職員会議に報告し、複数教員による指導を導入するなど全教職員が一丸となって対応することが必要です。
(3) 保護者や地域との連携
指導の方針や学級の様子を学級通信などにより、積極的に保護者に知らせ理解を得るようにします。また、保護者からの相談をいつでも受け入れる姿勢を示し、その場を用意することです。困難な状況の発生に際しては、管理職に相談し、学級懇談会を開催し協力を要請することも手立ての一つです。授業において、保護者や地域の人の知恵や技能を活用することも、開かれた学級づくりに必要です。「学級がうまく機能しない状況」は、単に学級担任一人の問題と言うより、学校や学校経営全体の問題としてとらえるべきです。柔軟性をなくした校内の指導体制や、授業、学級経営の在り方を根本的に見直し、全教職員の共通理解のもと、解決に向けて学校全体で組織的に取り組んでいかなければなりません。